2019年 01月 31日
ハムスターの飼い主様から最近多い質問…なぜでしょう?
いつの間にか年も明けたと思ったらもう明日は2月ですね。
ブログの更新をうっかり忘れるところでしたが、なんとか間に合いましたよ~。
今日のテーマは最近多い質問です。
当院に掛かられているハムスターの飼い主様からの質問で、ここ一週間で5回程聞かれました。
内容はほぼ同じですがなぜでしょうか?
不思議なこともあるもんです。
さてその内容ですが、3つありまして箇条書きにしてお答えしていこうかと思います。
今後聞かれるかもしれないことを想定して一応この場を借りてお答えして見ます。
①手術をしますか?
答えはハイです。
もちろんモノによっては出来ないものもあります。
参考までにこの前取った乳腺腫瘍の写真を載せてみます。

本当は取った後縫合した写真を載せたかったのですが、縫合する前の生々しい写真しか残っていなかったのでさすがに載せるのは控えさせてもらいます。
是非見たいという方がいらっしゃいましたらお見せしますので言ってください。
取った腫瘍は中々大きかったのですが手術によく耐えてくれました。
出血量も1㏄以上は危険と言われているので注意が必要でした。
ちなみに単純計算では表せれませんが、取った腫瘍は60㎏の人で計算すると3.5㎏程のものになります。
②頬袋を診察するときは頬袋を外に出しますか?
答えは基本的にはイイエです。
個体差がありますが、まず出さずに特殊な器具を使って直接中をみます。
あまりにも嫌がる仔などは危険があるので無理に見たりはしないですし、年齢なども考慮して見ています。
以前頬袋を口から出した際に恐らく自分で噛んだと思うのですが、その後炎症がひどくなり頬袋脱という病気になって転院してきた仔を2頭見たことがあります。
手術で治りましたが、そういった負担等を考えると出したりはせずになんとか頑張って器具で直接口の中を見ます。
まあ滅多に起こることではないと思うので気にしすぎかもしれませんが…。
③診察時にグローブをしますか?
答えは基本的にイエスです。
グローブというか軍手をしますが、どちらにせよはっきり言って噛まれたら貫通してくるのであまり防御の意味はありません。
では何故するのか。
この質問に関してはここで色々書くことは色々な意味で迷いますが注意喚起も含めて敢えて書きます。
まあ保定した際に凄く噛んでくる仔とかはよく口の近くにあるものを噛んできます。
軍手などの先端の指が被っていない所を持って行って敢えて噛んでもらったりもしますし、気を付けて保定しても噛まれることもありますがそういった際にも軍手の先だけで済むことも、ままあります。
何故そんなに恐れるのかというと、2000年頃にハムスターに噛まれてアナフィラキシーショックで亡くなられた方がニュースになりました。
その時は亡くなられた方は本当に極めて稀なことが起こってしまったんだなぁと思いましたが、7年程前に友達の病院に行った時の話です。
その頃はまだ開業して僕も友人も日が浅かったので時間にも余裕が有り、一緒に晩御飯を食べに行く約束をしていました。
15時頃に友人の病院に遊びに行き、お互いの近況を話したりしていたのですが電話がなったので友人が出ると何と警察の方でした。
そして友人は少し質問をされて電話を切ったのですが、顔が少し青ざめてました。
「どうした?」と聞くと「つい先日ハムスターを連れてきた飼い主の方が亡くなったらしくて、ハムスターに噛まれてアナフィラキシーショックで亡くなったらしい」と返事が返ってきました。
その時の診察の事を友人は思い出して色々と話を聞きましたが、ここで詳細を書くのは控えさせていただきます。
この事は報道も恐らくされていなかったので多分ご存知の方は少ないと思います。
インターネットで検索しても載っていないこともあり、恐らくインターネットに書かれている以上に大なり小なりこのような事例は存在すると思います。
ただ、我々の身近でそういったことが起こってしまったのです。
それを聞いた時は胸が締め付けられるような感覚に襲われましたし、何より友人のショックを受けている姿が忘れられないです。
自分には起こらないことかもしれません。
しかし起こらないとも言い切れません。
そうなってしまった時に僕が保定している仔に迷惑が掛かるかもしれません。
だから意味があまり無いかもしれませんが少しでも直接噛まれるのを防ぐためグローブ等を付けています。
勿論友人も付けています。
色々な意見があり賛否両論でしょう。
ただ、少しでも不幸な事故は起きないようにと診察には望んでいるつもりです。
最後の方は重い話になってしまいましたが、最近何故か質問が多かったのでお答えさせていただきました。
飼い主様は基本的に自分の飼われている仔のケースがほとんどだと思います。
数百、数千、数万、数十万診たり聞いたりしてきたケースのなかから皆様にこういったこともあったというのをお伝えしていき、注意喚起を促すのも我々獣医師の使命と思ったので書かせていただきました。
話の内容が内容ですのでご意見等ございましたらご連絡ください。
by algo0123
| 2019-01-31 19:55