こんばんわ。
アルゴ動物病院院長です。

飼い主様には許可もいただいたうえでの投稿ですが、今回は少し暗いお話になるかもしれません。
もちろん内容に賛否両論があることも承知の上で書かせてもらいます。
私にとっては本当に人と動物の絆を感じさせていただいたことだったのでこの事は忘れたくはないと思い書こうと思いました。

先日、私にとってとても責任の重い約束をしたワンちゃんが亡くなりました。
様々なな合併症もありましたが本当に家族様とワンちゃんも最後まで頑張られました。

そのとても重い約束は飼い主様のお母様とした約束です。
今からもう五年以上前の話になります。
お母様が病気で入院されることになりました。
大変な病気でした。
その際にいつも笑顔で明るい声でお話をされるお母様から「この仔の事をよろしくお願いします。もし夜遅くに何かあったら大変でしょうが何とか診てやってください。」と深刻な表情でお願いされました、
その瞬間私はお母様の表情から鬼気迫るもの(今思えば必死だったのだと思います)を感じ、直感的にこれは命を掛けるかのような約束になると思い一言だけ「はい。精一杯頑張ります。」とだけまっすぐ眼を見て(これしか出来ませんでした。もっと私がしっかりしていればもっと安心させれたのにと未だに思います)返事をしました。
そうするとお母様は「ありがとうございます。」と何度も仰られて号泣されていました。
こんな頼りない若造に何度も何度も頭を下げられました。
出来ることを精一杯やるという気持ちを自分に常に言い聞かせその後の対応をさせていただきました。

実際に時間外の診察をしたのは全部で3回程でしたが普段の通院の時にもお父様から色々なお話を聞かせて頂いたり、お家でのワンちゃんとの様子など聞かせてもらったり本当に色々な事をお話させていただきました。

年を追うごとに様々な病気になったりもしましたが、その都度飼い主様はしっかりと治療を頑張っていらっしゃいました。
時には県外に検査に行ってもらったこともありました。
お薬の量が増えてもこの仔のためと嫌な顔一つせずに治療を頑張ってくださいました。
歩けなくなってしまった時にはご自身で犬用の車イスをすぐご購入されていました。

いつも当たり前のように頑張っている飼い主様とワンちゃんを見て改めて家族の絆や人として大切なことを教えて頂いたと思っています。

最後の時にお父様からお電話がありました。
辛そうに最後の時の事をお話してくださいました。
そんな時いつもどんな声をお掛けすればいいのか、何が正しいのかわかりませんが素直にその時口から出た言葉は「お疲れ様でした。」でした。
今までこの言葉は言ったことが無かったですがこの時はこの言葉が正しいかどうかは解りませんが出ました。

こちらの飼い主様からは本当にたくさんのものを頂きました。
貰いものもたくさんしましたが、それ以上に改めて家族の絆を感じさせていただき、そしていつの間にか飼い主様に対しての信頼感や安心感を自分が抱いていることに気付きました。
本来は私が飼い主様に求められるものをいつの間にか私がいただいていました。
そしてそれは他の飼い主様に対しても抱いている事なんだと気付かされました。
こちらの飼い主様からも他の飼い主様からも成長をさせて頂いていることに改めて気付けました。
勿論相性などもあったりして獣医と飼い主様と飼っている仔が上手くいかないこともあると思います。
だけどそのことも自分の糧になるんだと皆様から教えられているんだなと感じられました。
どこまで何が出来るか解りませんが、少しずつ皆様にお返しできればなとおもいます。

そしてあの時にもう一つ言いたかった言葉を今この場を借りてお伝えしたいと思います。
月並みな言葉ですが本当に「ありがとうございました。」

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by algo0123 | 2018-02-17 20:26 | Comments(0)